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冬の太陽とパッシブデザイン

2020/7/11

こんにちは、設計チーム🔰のぬかちゃんです。
最近、デスクにガチャガチャのフィギュアを置いてみました。


これは、岡本太郎の「太陽の塔」です。大阪万博のシンボルと言える作品です。
僕は奈良県出身なので、奈良の大仏とか五重塔とか懐かしく感じるのですが、「太陽の塔」も好きな建物の一つです。
今日も「太陽の塔」からエネルギーをもらって頑張ろうと思います♪

前回は日射遮蔽や日射取得についてお話ししました。
これらは簡単に言うと太陽のエネルギーをうまく利用するということになります。
こうした自然エネルギーを建物に取り入れる手法として「パッシブデザイン」があります。
「パッシブデザイン」とは、自然エネルギーをうまく活用した建物を設計することで、快適に健康に過ごせて、省エネルギーにつなげていく手法を言います。
とっとり健康省エネ住宅「NE-ST」では、住宅における基準として「健康への効果」、「コスト削減効果(省エネ)」が掲げられており、「パッシブデザイン」が住宅設計のポイントになりそうです。
今回は、冬の太陽について考えてみたいと思います。

■南側からの日射取得
振り返りになりますが、太陽高度は冬至が最も低くなります。
つまり冬は太陽の位置が低いということになります。
太陽の動きをイメージしたものがこちらです。(南中高度と言われています)


この図からもわかるように、太陽のある南側から日射をいかに取得できるかが重要になります。
特に冬の太陽は低い位置にあるので、南側にできるだけスペースを設けて家を配置し、日射を取得する工夫が必要です。
そこで4つの住宅パターンを考えてみました。
■家の形が違う場合
Ⓐパターン:隣家との距離が狭く、もし隣家が2階建ての場合、日射が遮られる可能性があります。
また日射が入ってきたとしても南面には2ブロックしかないため、日が当たる面が2面となります。


Ⓑパターン:隣家との距離が広く、日射が入ってきそうです。
南面は4ブロックつまり4面あるのでⒶパターンの2倍、日が当たることになります。


同じ敷地で、家の面積も同じ(どちらも4ブロック)なのに家の形が変わったことでⒷパターンのほうが多く日射取得できました。

■隣家との距離が違う場合
Ⓒパターン:隣家との距離が狭く、2階だけ日射が入ってきそうです。
南面に4ブロックありますが2階のみ日が当たるので実質2面となります。


Ⓓパターン:隣家との距離が広く、南面の4ブロックすべてに日が当たりそうです。
4面あるのでⒸパターンの2倍、日が当たることになります。


同じ家でも隣家との距離によってⒹパターンのほうが多く日射取得できました。

このように家の形や隣家との距離などによって日当たりが異なることがわかりました。
小田原工務店では、近隣状況を把握して、最適な家の形や配置を考慮した上で設計しています。
ではまた次回お会いしましょう。