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意外と知らない窓の話(ガラス編)

2020/9/25

こんにちは、設計チーム🔰のぬかちゃんです。
皆様、4連休はいかがお過ごしでしたでしょうか?
連休中、我が家には新しい家族、いや、家電が仲間入りしました。

以前から購入を検討していた「ダイソンのpure hot+cool」をようやく購入しました。
この商品は、空気清浄機と扇風機とヒーターが1台になったものです。
本体には部屋の空気の状態などがわかるモニターがついてるのですが、何が表示されているのかまだまだ理解不足です・・・。
1年中使えるので、使いこなせるようにしたいと思います♪

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さて、窓の性能と言えば、皆様どんなことを思い浮かべますか?
僕の場合、建築の勉強を始めるまではペアガラス(2枚のガラス)=いい窓、という程度でした。
車や家電を購入するときには性能をチェックすることはあっても、窓の性能にはあまり関心を持たれてない方が多いのではないでしょうか。
例えば、窓は夏に外部からの熱が室内に入りやすく、逆に冬に室内の温度が外に逃げやすい特徴があります。
家には、壁や天井、床に断熱材が入っていますが、同じように窓も断熱性能を高めることで家全体の断熱性能が上がります。
ご存じの通り、窓はガラス部分とサッシ部分から構成されています。
まず今回は、ガラスの性能について勉強していきたいと思います。

ガラスには多くの種類があり、フロート板ガラス、網入りガラス、型ガラス、複層ガラス、Low-E複層ガラス、くもりガラスなどがあります。
防犯、防火、プライバシー確保、断熱性能など目的によって使用する窓は様々です。
これらのガラスの中で、住宅に使われる断熱性能の高いガラスとして、複層ガラスとLow-E複層ガラスがあります。
今回はこの2つのガラスに絞って勉強していきたいと思います。

■複層ガラス
まず、複層ガラスとは、2枚の板ガラスを重ね、その間に乾燥空気や真空状態による中間層(ガラスとガラスの間の部分)を設けたガラスです。
中間層に空気の層を設けたことで、断熱効果があります。
一般にペアガラスと呼ばれているのがこの複層ガラスです。

■Low-E複層ガラス
続いて、Low-E複層ガラスとは、ガラスに特殊金属膜(Low-E膜)をコーティングしたガラスで、ガラス自体に断熱や遮熱などの効果があります。
Low-E複層ガラスは、複層ガラスに比べて断熱性能の高いガラスです。
断熱性能:複層ガラス < Low-E複層ガラス となります。
こちらにLIXILの「SAMOS X(サーモス エックス)」という商品の断面写真があります。
ガラスの部分を見るとガラスが2枚使われていることがわかります。

Low-E複層ガラスは、特殊金属膜のコーティング位置によって、日射取得型(日射熱を取り込む)や日射遮蔽型(日射熱を抑える)などに分類されます。
日射取得型と日射遮蔽型は、窓を配置する方角や目的によって使い分けることが一般的です。
例えば、日射を取得したい南面には日射取得型の窓を設けます。
また、西日を遮りたいのであれば西面に日射遮蔽型の窓を設けます。
Low-E複層ガラスは、中空層に乾燥空気以外にアルゴンガスと呼ばれるガスが入った窓もあります。
アルゴンガスは、熱を伝えにくい、空気に比べて重いという特徴があり、断熱性能を高めます。
断熱性能:乾燥空気 < アルゴンガス となります。

■日射熱取得率における複層ガラスとLow-E複層ガラス

複層ガラスの場合、日射熱取得率0.79は、日射熱のうち79%を室内に取り込んで、残りの21%をカットしているイメージになります。
同様に、Low-E複層ガラス(日射取得型)の場合、日射熱取得率0.64なので、日射熱のうち64%を室内に取り込んで、残りの36%をカットしているイメージになります。
Low-E複層ガラス(日射遮蔽型)の場合、日射熱取得率0.40なので、日射熱のうち40%を室内に取り込んで、残りの60%をカットしているイメージになります。
日射取得率:Low-E複層ガラス(日射遮蔽型) < Low-E複層ガラス(日射取得型) < 複層ガラス となります。

最近ではさらに断熱性能を高めた、トリプルガラス(3枚の板ガラス)やアルゴンガスより断熱性能の高いクリプトンガス入りの窓も出てきています。
断熱性能:アルゴンガス < クリプトンガス 
断熱性能:ペアガラス < トリプルガラス となります。
こちらにLIXILの「ERSTER X(エルスター エックス)」という商品の断面写真があります。
ガラスの部分を見ると3枚使われていることがわかります。

窓の断熱性能を上げることで、冷房時の熱の流入、暖房時の熱の流出を抑制し、エアコンの効率が上がります。
エアコンの効率が上がれば、省エネにつながり、家計の負担も減ります。
室温が年間で一定に保たれることで、夏の熱中症や冬のヒートショック対策にもなります。
つまり快適に過ごすには、断熱性能の高いガラスを選ぶことがポイントになります。

ただし、窓選びには断熱性能以外の要素も考えなければいけません。
例えばご夫婦が共働きだとします。
家に誰もいない状態で日中カーテンを開けていると、日射取得はできるけれども家の中の様子が丸見えで防犯面が弱くなるという側面があります。
窓選びは、窓本来の楽しみ方(採光、見晴らし)、窓のデザイン、立地条件、ご予算、ライフスタイル、断熱性能、防犯面などをバランスよく組み合わせることが大切です。
ぜひ、小田原工務店の家づくりセミナーにご参加いただき、打ち合わせを通してお客様にとって、ちょうどいい家づくりを一緒に考えましょう。

次回は、窓のサッシについて勉強していきたいと思います。
ではまた次回お会いしましょう。